ローストポーク
『あ、君、ちょっといいかな』
「はい、マスター。いかがなさいました?」
『今回の新作メニューの試作ローストポーク、とても良かったよ』
「ありがとうございます。マスターにそうおっしゃっていただけて嬉しいです」
『きっと特別な材料を使っているのだろうね?』
「はい。特別な土人形から採れた粘土を……」
『に、人形……?』
「雨水でこねまして」
『雨水?!』
「はい」
『なぜ雨水を?』
「そういう流れでしたので」
『流れ…………』
「形を整えた後に、燃え盛る溶岩の炎で……」
『よ、溶岩で……!君、ちょっと凝りすぎじゃないかね……?』
「いえ、そういうものですので」
『そ、そうなのかい……?』
「溶岩の炎で焼き上げたら完成です」
『焼き釜がかい?』
「いえ、豚です」
『突然だな……豚はどこから出てきたんだい?』
「焼き釜です」
『もう完全に話を見失ってしまったが、ともかく豚のローストはうまくいったのだね』
「いえ、まだ豚はその時点では元気に動いているので」
『動いてるんだね……』
「そこからローストします」
『バーベキューより豪快だな……』
「火が通ったら素早くアバターの力を借りてカットします」
『私は料理は全然なのでわからないが、アバターというのは何かの調理器具かい……?』
「いえ、異界ヴォイドの妖異です」
『……粘土の豚を焼いて、妖異がカットした料理……なのだね……?』
「さようでございます」
『そうか……』
「はい」
『そうなのか……』
「はい」
クリアおめでとうございます!
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